December 1, 2017

呉式太極拳の方向転換は必ず「開胯・合胯・閉胯・回胯」を用いて行う。

骨盤とその動きに付随するものをここでは簡単に「胯」と定義するが、型のなかで設定されている45度、90度、180度の方向転換の正確性は、「胯」の使い方と柔らかさによって担保される。

開いてから閉じるのが「開胯・合胯」、閉じてから開くのが「閉胯・回胯」。

胯は腰椎との連携が必須で、胯の動きは腰椎の動きによって牽引される。

言葉の解像度をあげてみよう。

方向転換では腰椎の動きが常に先行。つづいてその動きに胯が導かれる。初動として腰椎が動くあいだ両骨盤は微動だにしない。腰椎だけが他の...

November 17, 2017

⬛︎  動きが突っかかりやすい難所

太極拳練習のとき全身の柔らかさ・協調性、また動きの連続性には誰しも配慮するところであるが、体はなかなか言うことをきいてくれない。

なぜか?

体には随所に短時間では変わらない、変わりにくい関門があるから。

とりわけ不器用にして硬い最大の難所が「骨盤」。

動きの流れはこのまわりで突っかかりやすい。

胯の具体的内容に進む前に、先に呉氏の骨盤の取り扱い方を腰椎との関連において簡潔に触れておきたい。

⬛︎  腰に悪いNG歩行

骨盤が硬く不器用だとどうなるか、まずは典型的なNG例から。

ファッションショーのランウェイを歩くモデ...

October 31, 2017

前回の腕につづき、今回は脚の三節について。

腕と同じく脚も「根・中・梢」三つの節で構成されるが、両者には決定的な違いがある。

腕は重さから自由。それに対し脚は常に重さの束縛を受ける。

より正確に言えば、武器など何も持たなければ、重力と自重を除き、腕は重さから解放されている。

脚はどうか?

我々が直立している限り、脚は常に上半身の重さを受け止め、支え続けている。

普段、膝や腰に問題をかかえている人は少なくないが、上からの重さが自ずとのしかかる胯(骨盤)・膝がもし不自然・不合理な動きをすれば、そのひずみが膝・腰に現れて当然であろう。

上体の重さを常に...

October 24, 2017

四肢(腕・脚)にはそれぞれ3つのポイント(節)があると太極拳では考える。

根節・中節・梢節で、根っこ(根節)、真ん中(中節)、末梢(梢節)くらいのニュアンス。

腕では、肩・肘・手首、脚では胯・膝・足首がそれぞれ「根・中・梢」節にあたる。

多くの方が経験されているように実際の動きのなかでは、「根」と「中」が特に乱れやすい。

硬さ、偏り、クセは肩・肘あるいは胯(骨盤)・膝に目立つのだが、動いている当の本人がその問題に気づきにくいのが悩ましい。

今回書きたいのは、硬さ、偏り、クセの原因は単独問題ではなく、まとまり・関係性の問題であるということ。

たと...

October 10, 2017

「太極は無極に生ず。陰陽の母なり。動けばすなわち分かれ、静まればすなわち合する。」(筆者訳)

『太極拳論』の有名な冒頭部分で、「太極」と「無極」についての本質を述べている。

これについて呉氏の考えを簡単にご紹介したい。

動いたり、合するのは「陰陽」のこと。

無極は陰陽未分の静的な状態。

極は陰陽が分かれた動的状態。

陰陽が相分かれ動きはじめた瞬間から無極から太極が現れる。

太極の本質は動きにあることをまずおさえよう。

型の動作で具体的に見てみると、

両手・両足を含め全身が左右対称のときは「無極」。

「太極起勢」あるいは「開太極」により、手・足の左右対...

September 22, 2017

先日富士山麓を特集したNHK BSのトレッキング番組を観た。

活火山である富士山のふもとに広がる樹海は意外にも864年の「貞観大噴火」のあとに出来た比較的新しい森。

しかも我われが思い描く豊かな緑は300年ほど前から形成されはじめたもので、噴火後約800年は木も生えない荒涼とした大地であったとのこと。

その名残りを刻印するように、樹海には倒木が多い。いたるところ倒木だらけだ。

原因は土の層が極めて薄いため。

富士山の噴火よって流れ出た溶岩の上に堆積する土はたった5cmほど。

土の層があまりにも薄いため、根は地下に広がっていけず地上に露出してしま...

September 12, 2017

前回「内観力」について以下の要旨で書いた。

・内の感覚と外の動きのあいだにはズレが生じやすい

・そのズレに自分ではなかなか気づきにくい

・ズレを体感・修正するには、内の感覚と外の動きを一致させる内観力の養いが重要

実は600年ほど前、能の大成者 世阿弥が『花鏡(かきょう)』という自著のなかで同じような内容をすさまじい完成度で語っている。

天才 世阿弥の長年にわたる体験が凝縮された美しい言葉づかい、心身に対する奥深い洞察の精華を、所感を交えて簡単にご紹介したい。

− 目前心後 −

舞いのとき目は前を見すえるが、心は後ろに置く。

視界にとらわれると小手...

September 5, 2017

普段耳に親しんでいる自分の声、

何も介さず体内で直接聴いているものと録音されたもののあまりの違いに驚かれた経験はないだろうか。

前者は骨伝導、後者は空気伝導で音が伝わっていて、伝達システムの違いが音の聞こえ方に大きく作用している。

録音された声がどこかよそよそしく、自分の声でないように聞こえるのも、

首の骨が偶然ボキボキなったとき自分には大きく聞こえ、周りの人には小さな音でしか聞こえないのも、原因は同じらしい。

今回はこのような「内・外のズレ」に注目してみたい。

繰り返し練習する型においても往々にしてズレは起こる。

たとえば、正面に正対しているつ...

August 29, 2017

二十四節気よると立秋は8月7日頃。

今月23日からは「処暑」。

暦のうえではちょうど今時分に暑さも処(=止)まるという。

灼熱の太陽いまだ勢い衰えず、気温30度を超える日中に秋の気配を実感するのは難しいが、

なるほど早い日の暮れ、虫の音、朝夕の涼風などに夏から秋への穏やかなシフトが感じられる。

季節の交代は辺境・末端から粛々とおもむろに進んでいるようだ。

残暑も徐々にやわらぎはじめる今の時期、なぜか身の回りにお疲れ気味、不調気味の人が多い。

真夏にためこんだ潜在的不調が夏バテとして今頃顕在化しているのかもしれない。

夏はとかく自律神経が酷使され、疲...

August 20, 2017

お盆休みで岐阜の実家に帰省した。

長年の習い性で体を動かさないと気持ちが落ちつかない。

久しぶりの故郷であっても公園や体育館にいそいそと出かけ太極拳にいそしむこととなる。

屋外、室内、いずれも日常よく練習するところであるが、

所変われば不思議と感覚が微妙に変わる。

とくに足元の感覚がいつもと少し勝手が違う。

全身調和の歯車がどこかズレて、型の終了後はじめの立ち位置にもどれず微妙にズレたり、所要時間もいつもと若干異なってしまう。

その昔、先師 呉英華は相当な期間レンガの上で太極拳の練習をしていたと師父からきいた。

また師父自身も長じて大人の体格になる...

Please reload

特集記事

I'm busy working on my blog posts. Watch this space!

Please reload

最新記事

February 1, 2018

December 15, 2017

Please reload

アーカイブ