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第15回 古典太極拳のチカラ

執筆者の写真: 呉式太極拳 順展会呉式太極拳 順展会

2016年3月1日に太極拳教室をはじめ、3ヶ月が経過した。

小規模ながら熱心な会員さんに支えられ、

その皆さんと古典太極拳の精華を分かち合う充実の日々が毎回続いている。

まことにありがたい。

教室では武術よりも健康に関心のある方が多いが、

武術は何であれ、

修練が進むほど武術と健康の両要素が相接近し、融合する。

当然ながら武術的要求を守れば健康法としても優れたものになる。

呉式太極拳が「基本拳(慢架108式)」と「推手」を練習の二本柱とするのは、

健康法と武術の相乗からしても理にかなっている。

ともあれ何事もはじめと基礎が肝心。

会員の皆さんには今「基本拳(慢架108式)」を

丁寧に徹底的に学んでいただいている。

練習の第1ステップは、

「外面的な形を覚える」こと。

套路を何度も繰り返し、

ステップ・姿勢・手の位置や動きなどを体で正確に覚える。

動作がある程度つながってきたところで、

次に第2ステップ「内面に入る」。

骨盤や腰椎の動き、重心の置きどころなどの

内面要素の説明を少しずつ増やし、

太極拳の各式のなかで無理せず丁寧に練習していただいている。

楷書でゆっくり丁寧に書く要領で

古典太極拳の要求に忠実に型を行っているだけだが、

多くの人に思わぬ副次効果が早速現れ、

その即効性に教える側がいささか驚いている。

その効果とは、

 ◯腰痛の改善

 ◯座骨神経痛の改善

 ◯膝痛の改善

 ◯整腸作用の促進

 ◯五十肩の改善

などである。

会員各位の健康上の問題点は入会時にうかがい把握しているが、

各問題に対して対症療法的な練習は一切行っていない。

ただ丁寧に太極拳を練習するだけである。

太極拳の修練に終わりはなく、

無限の修正の連続であると言われるが、

その修正は無限の修復でもある。

会員の方に起こった体の変化は、

内面の要求を守った正確な太極拳修練がもたらしたものに他ならず、

よりよい健康、より強い体の実現に

古典太極拳が確実に貢献するものであることを実感させられる出来事であった。

今後も内面に丁寧にそして繊細に向き合い、

その結果として起こる変化を少しずつ積み重ねていければ幸いである。


 
 
 
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