第49回 永かれ、青・壮年期(後編)


以前書いたように

メジャーリーグの一流ピッチャーには、

キャリア中盤から後半にかけてのパフォーマンス向上、その長期維持が期待される。

そのため若い頃には実戦経験よりも永いキャリアに耐えうる体づくりが何より重要な取り組みとなる。

武道目線で取り組み成果を想像すると、

①「強く安定した足」

②「柔らかい腰」

③「上半身の脱力」

④「①②③よって支えられる全身の協調性」

くらいは必須であろう。

特定部分への負担を最小限に抑えるには、全身の協調性を高めるのが一番。

野球のピッチャーのように体の片側だけ、

しかも利き腕にパフォーマンスの負担が集中する場合、

協調性の巧拙がキャリアの長短に大きく作用する。

協調こそ「発力」と「伝達」のバネであると同時に、

故障予防、高パフォーマンス維持の安全保障なのだ。

体のポテンシャルを穏やかにゆるやかに伸ばしていくうえで、

太極拳は間違いなくベストソリューションの一つであると思う。

キャリアが永くなればなるほど、

また動きが正確になればなるほど、

下半身への重心のかけ方がキレイになり(一点に絞りこまれる)、

強靭な脚力が自然と身につく。

膝、腰、肩に不自然な捻りを一切入れないため故障・痛みの心配がない。

リスクを背負うことなく体のポテンシャルを高める Win×Win の動きが太極拳なのだ。

師父からきいた話では、先師 馬岳梁は名峰「黄山(標高1864m)」を80代後半で踏破した由。

しかも若い弟子の面々を驚かせる驚異的なスピードで。

太極拳でつくった丈夫な足腰があっての離れ業であるが、

その神業のようなすごさよりも、

強い足腰によって支えられる健康寿命、