第79回 三つの節


四肢(腕・脚)にはそれぞれ3つのポイント(節)があると太極拳では考える。

根節・中節・梢節で、根っこ(根節)、真ん中(中節)、末梢(梢節)くらいのニュアンス。

腕では、肩・肘・手首、脚では胯・膝・足首がそれぞれ「根・中・梢」節にあたる。

多くの方が経験されているように実際の動きのなかでは、「根」と「中」が特に乱れやすい。

硬さ、偏り、クセは肩・肘あるいは胯(骨盤)・膝に目立つのだが、動いている当の本人がその問題に気づきにくいのが悩ましい。

今回書きたいのは、硬さ、偏り、クセの原因は単独問題ではなく、まとまり・関係性の問題であるということ。

たとえば、肩が力んでいる場合、緊張の原因はひとり肩だけでなく、その先の肘にもある。

太極拳の基本セオリー「沈肩垂肘」(呉氏では鬆肩)はまさにそのことへの警鐘。

沈肩・垂肘はいずれか一方ができることはなく、できる時は両方同時にでき、できない時は両方同時に乱れてしまう。

裏を返すとゆるみ(鬆・脱力)の前には前提としての形がある。

上級者はともかくとして初心者にとっては、正しい形なくしてゆるみへの到達は難しい。

「根・中・梢」の節々が収まるところに収まり、すべてのポイントが乱れることなくキレイに整列してはじめてゆるみの条件がととのうのである。

形(正しい骨格の並び)はゆるみ(鬆・脱力)とつながり(調和)を滑らかに起動・通行させるインフラであると理解したい。

写真は呉式太極拳の単鞭の動き。肩・肘・手首の並び具合に注目していただきたい。

次回は同じテーマをもう少し膨らませ、脚について書いてみたい。


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